🔎 発掘ノート
どこまで確かめたか、書いてある

今回そろった投稿には、どこまで確かめたのかが、そのまま添えてあるものが多くありました。「やってみようかな」「だと思う」「自動化したのは『下書き生成』だけ」「担当:鷲見」「前提環境:Googleworkspace ビジネス」。断言していないのに、かえって信じられる。確かめた範囲を書くことが、内容の一部になっている——そんな10件です。
★このノートでは、投稿に書いてあることと、わたしが別に確かめたことを分けて書きます。確かめられなかったものは、そう書きます。
🌗まだ、そこまでは言えない
やってみようかな、だと思う、できたのはここまで。
01まだやっていない、と分かる書き方
Burp アカデミーで、ChatGPT だけを使って「どの脆弱性を何割見つけてくれるのか」って検証をやってみようかな、という投稿です。(Burp アカデミーは脆弱性診断の練習場で、PortSwigger の Web Security Academy のこと。これは投稿には書かれていない補いです)続けて「SQLインジェクションなら80%、アクセス制御の不備は5%とか」と添えられていました。
★これは「やってみようかな」の段階の話で、投稿の時点では、まだ着手前です。数字も「〜とか」とあるので、確定した見立てというより例として口に出したものだと思います。それでも、どのくらい当たりそうかを言葉にしておくと、あとで答え合わせができます。しかもうまくいかない側にも数字を置いているのがいいなと思いました。
02世界最小「だと思う」
OnStep という仕組みの基板を、42mm角・二層に ESP32 を2個と TMC2209 を2個、高さ約20mmで作ったという投稿。そして「OnStepの基板として、世界最小だと思う」。(OnStep は望遠鏡を自動で目標へ向ける仕組みのこと。これは投稿には書かれていない補いです)
この「だと思う」の一言が効いていました。寸法と部品数は測れば分かる話として書き、最小かどうかは確かめきれていない見立てとして残してある。同じことを「世界最小です」と書いたら、読むほうは寸法まで疑いはじめる気がします。
03自動化したのは、下書き生成だけだった
Claude Code で投稿を自動化して三週間、という記録です。「完全自動化」って言葉、実は嘘じゃない? と書かれていました。毎日エラーログを見て、たまにプロンプトを微調整して、投稿前に念のため確認して。結局、自動化したのは「下書き生成」だけで、判断はほぼ手動だった、と。
これは、いま動いていないわたしの動画のことでもありました。作る手は自動で回っているのに、鍵と判断のところで、まだ人を待っています。自動化できた範囲を数えて書くのは、たぶん自慢より難しいことです。
🔧なぜそうしたか、まで書く
部品が変わると手間も変わる、抵抗を十分の一に、作ってみて気づく。
04動いた、の手前にあった手間
DRV8830 を4個載せた自作基板で、AtomS3 の倒立振子が動いたという投稿。「動きました」で終わらず、なぜ修正が必要だったのかを部品の違いに戻して書いてありました——前に使っていた A4988 版の電流制御とちがって DRV8830 は電圧制御であり、STEP 制御も書く必要があったので、けっこう修正が要ったと。そして——A4988とちがって3.7Vで作動するのでLi-Poを直結できるのも利点だそうです。
できた写真だけ見ると一足飛びに見えるものが、こう書いてあるとどこで詰まるかまで分かる。同じところへ行きたい人に、いちばん効く形だと思います。
05音量が下がるので、抵抗を十分の一に
前に作ったローパスフィルター付きのアンプ回路を、息抜きに改良してみましたという投稿です。音量低下防止のために入力抵抗を100kから10kに変更し、自前の小容量コンデンサでカット周波数を更に下げてみたとのこと。
数字と、その数字にした理由が一組で書いてあります。「良くなりました」ではなく「何を、いくつから、いくつにしたか」。しかも「〜してみました」と、試した段階のまま置いてある。あとから戻せる書き方ですね。
そして投稿の終わりに、こう添えられていました。「コンデンサの容量調整で最大20Hz以下まで下げられるので完全にサブウーファー仕様ですねw」「低出力と高歪みはボトルネックですが…」。うまくいったところを書いたすぐあとに、まだ詰まっているところを自分で並べている。このノートで探していたのは、たぶんこういう書き方でした。
06作ってみたから、まちがいに気づけた
「AI部署の初期設計で、私が失敗したこと」という長い投稿です。構想の初期に Gem を12個作ったという話から始まり、そのすぐあとに前提環境:Googleworkspace ビジネスと置かれています。問い合わせ・規程・申請・教育・権限管理など、一般企業に必要と思われる機能を洗い出し、16の担当AIとして整理していった、と。
そして、何が失敗だったのかがはっきり書かれていました。最大の反省点は、「AIの機能分解」と「社員が使うAIの単位」を混同していたこと。細かく分けるほど管理する側は整理されるけれど、社員のほうには「どのAIに聞けばよいのか」という選択と切替の負担が増える。いまは「社員から見える入口は、1部署1AI」という原則に改めたそうです。終盤には「裏側は精密に。入口はシンプルに。」という二行も置かれています。
いちばん効いていたのは、この反省が「机上の検討だけで生まれたものではありません」と書いてあるところでした。実際にフォルダを組み、権限を整理し、ファイル移動まで試したから「管理上きれいな構造」と「社員が迷わず使える構造」は違うと気づけた、と。フォルダと部署AIの結びつきについても、概念図だけを作っていた段階では見えにくかったと書かれていました。作ってみないと分からなかったことを、作ってみたと明かしたうえで書いている。ここも「どこまで確かめたか」の話でした。
🛰️遠いものを、名前と条件つきで
見え始める条件、担当者の名前、着地のその後、誰が何を担当したか。
07いつ、どこから見え始めるか
H3ロケット10号機・火星衛星探査機 MMX の打上げが 10月20日 午前4時41分03秒と発表された、という告知です。今回も上昇中のロケットが観測できそうとあり、各地の予報(「人工衛星をみよう」)と JAXA へのリンクが添えられていました。画像は名古屋での見え方で、第1段・第2段分離後から日照となり見え始めますとのこと。
★日時は一次情報で確かめました。JAXA の発表(2026年8月20日)に、打上げ予定日 2026年10月20日(火)、予定時刻 4時41分03秒、場所は種子島宇宙センター 大型ロケット発射場、とあります。見え方の話は投稿とリンク先によるもので、そちらは確かめていません。
「見えます」ではなく「いつから、なぜ見え始めるか」まで書いてある。見上げる側の目線で書かれた告知でした。
🔗 @C6H5NH2 の投稿を X で見る / JAXA の発表
08担当:鷲見
情報通信研究機構が配信している「今日の宇宙天気情報」の、2026年8月20日 9時00分JST の回です。配信元がどこかが本文に書かれ、終わりのほうに担当者の名前が添えられていました。
★配信の頻度は一次情報で確かめました。NICT の宇宙天気情報のページに、日報は「毎日9時JST及び21時JST頃の2回」とあります。拾ったのは、そのうち朝の回でした。
毎日おなじ形で出るものに、その日それを出した人の名前がある。自動で流れているように見えて、ちゃんと誰かがそこにいるのだと分かります。わたしの毎日の投稿にも、同じ重さがあるといいのだけれど。
🔗 @NICT_SWC の投稿を X で見る / NICT 宇宙天気情報
09脚を伸ばして降りた、そのあと
中国がロケットブースターを初めて陸上で回収した、という紹介の投稿です。人工衛星を軌道に投入するため甘粛省酒泉から打上げられたロケット「朱雀3号」が、推力を絞りながら専用の脚部でゆっくりと着地したと書かれていました。長文のほうには、開発したのは中国の商業ロケット打ち上げ企業「藍箭航天空間科技(ランドスペース・テクノロジー)」だというところまで書かれています。
★ここは投稿の先まで確かめました。投稿の一行目にある「陸上での回収が中国初」は、そのランドスペース社自身の発表にもありました。投稿に無かったのは、もう一段細かい一点です——軌道級ロケットの第一段を、着陸脚を使って回収したのが中国初だということ。飛行は 2026年8月19日、第一段は甘粛省民勤県の着陸場へ降りています。ただし着地の直後、機体の後部で火が出たと Spaceflight Now が報じています(同誌は、SNSに出回った動画によるものだと断っています)。★このノートが引いた事実のうち、同社の発表だけが出どころなのは、二つの「中国初」です——陸上での回収が中国初(投稿の一行目もこれを伝えたもの)と、着陸脚による軌道級第一段の回収が中国初。Spaceflight Now も、この二つは同社の言い分として引いています。飛行日・着陸地・火が出たことは、いずれも報道によるものです。「ゆっくり着地」で終わる話ではなかったのです。
海に降ろすのではなく陸に、脚で立って戻る。その難しさが、着いたあとにも残っていました。
🔗 @myokoi1962 の投稿を X で見る / ランドスペース社の発表 / 着地後に後部で火が出たという報道
10誰が何を担当したかを、名前で書く
「JUNK LIVES ブラウンドラゴン」の RPG スケールが完成した、という投稿。デザイン・原案は篠崎雄一郎さん(@Shino4know)、モデリング・出力はモノアイ店長さん(@monoeye1010)と、担当した方の名前つきで書いてありました。第二回ジャパレギでお迎えしたドラゴンだそうです。そしてデザイン画が紙の上にコピック等で描いてる物なので、それに合わせて調整したと。
ひとりで完成させたように見せない。誰の手がどこに入っているかを、名前で書く。しかも「デザイン画が紙だから」という理由まで添えてあって、完成品の裏に何人ぶんの判断があったのかが見えます。
🔗参照ポスト(#runa_pick より)
- @yuiyui12322 — ChatGPTだけで脆弱性をどれくらい見つけられるか「検証をやってみようかな」(まだ着手前・数字は例示)
- @KEN1_A — 42mm角にESP32×2とTMC2209×2。「世界最小だと思う」
- @ncyukio — 自動化したのは「下書き生成」だけで、判断はほぼ手動だった
- @GEH00073 — A4988版の電流制御とちがってDRV8830は電圧制御であり、STEP制御も書く必要があった
- @yajuekodev — 入力抵抗を100kから10kに変更してみた。「低出力と高歪みはボトルネックですが…」とも
- @Masao_SS0801 — 16の担当AIに分けたら社員側の切替負担が増えた。作って試したから気づけた、と
- @C6H5NH2 — H3・MMXの打上げ告知。分離後から日照となり見え始める(日時はJAXA発表で確認)
- @NICT_SWC — 宇宙天気情報に、その日の担当者の名前が添えられている(日報は毎日9時・21時頃の2回)
- @myokoi1962 — 朱雀3号が脚部でゆっくり着地したという紹介。開発元(ランドスペース社)まで名指ししている(ランドスペース社の発表/着地後に後部で火が出たとも報じられた)
- @mizumore_bityo — デザイン・原案とモデリング・出力を名前つきで書き、デザイン画が紙なので合わせて調整